王様の耳はパンのミミ

伊藤なむあひの小説とか創作に関するあれです

昨日からまた

小説を書きはじめた。結局、になるかは分からないけど最初に書こうと思っていたのを中断し、別に書きはじめて、それも中断して前のに戻って、それを中断してもう一度いちから書いてる。

 

とはいってもええと最初に書いた方の別の小説とテーマは一緒で、モチーフを変えてみたというだけなのでそこまで頭は使わない。いや使わないようにして書いてる。最近はこねくり回しすぎていた。

 

他人の文章を読んでいてハッとすることがある。ここ最近は読む方ばかりだった。いくつかヒントをもらった。

 

書いて、誰かが読んでくれて、反応があると、少しづつ『相手の期待に応えなくてはいけない』という気持ちがたまっていく。自分にはほぼないと思っていた。好きなように書いてるつもりだった。違ったみたいだ。

 

わずかづつに堆積していったそれに埋まっていた。評価を意識し盛り上がる展開なんて考えていた。違う。『白雪姫前夜』に戻ろう。そういう作品が自分にあることは幸運だ。

 

 

少女幻想譚 (隙間社電書)

少女幻想譚 (隙間社電書)

 

 

 

順番は分からないけど

ひとつ間違いないのは小説がまったく進んでいないということ。ファイヤーエムブレムヒーローズのアプリを落として遊んでいたら小説が書けなくなったのか、小説が書けなくなったからファイヤーエムブレムヒーローズのアプリを落として遊んでいるのか。忘れた。

 

元々そんなに量産できるタイプではないのに特にここ一年くらいで書きすぎたのか。こういうときにふとまったく小説を書かなくなるのかなにんて考えてみたり。

 

書きたくなる日がくるとはあまり考えたことなかったけど書きたくなくなったら書かなくなるだろう。小説以外のことで消耗しているというのもあるかもしれない。このまま一年くらい、ゲームやったり読みたい本を読んで暮らすのもいいのかも。

 

とかめずらしくそんな気持ちになっている。

 

あ、でもお金がないというのに昨日はこの本を買ってしまった。

 

読者の心をつかむ WEB小説ヒットの方程式

読者の心をつかむ WEB小説ヒットの方程式

 

 

別にweb小説でヒットを出したいなんてつもりはないけど、インタビュー集として面白そうだったから。

 

数日はこれを読んで過ごそうかな。

紙に書いてから

じゃないと小説を書き始められないところがあって未だに最初の構想練りから(必要な場合は)プロット作り、その他メモや図やイラスト、そして冒頭からしばらくはノートにボールペンで書いている。

 

パソコンでの執筆環境はノートパソコン(Surface Pro2)とWordで、9割以上は仕事の日の休憩時間に書いている。普段は家で書かない。家庭(?)に執筆は持ち込まない派だ。

 

悪筆なうえすぐ手が疲れるので紙に書くよりもパソコンに打ち込む方が早い。当たり前だけど。でもパソコンの真っ白な画面にいきなり文字を打ち込むができないのだ。だから例えばこんな感じ(下図)で余計なこと含めて図も描きアイデアをくっつけていく。

f:id:namuahi07:20170815201431j:image

 

ある程度何を書くかが決まるとプロットっぽいものを書き出す。ここ数作は12分割してこんな感じ(下図)である程度の流れを書いていく。意図的に決めず開けたまま書き始めることもある。

f:id:namuahi07:20170815201558j:image

 

冒頭から紙に書いているとそのうち手書きがもどかしくなってくる。紙に書くスピードよりも頭の中で進む文字の方が早くなる。そうしたらようやくパソコンに打ち込み始める。なんとなくだけどしばらくはこういう書き方になりそうな気がしている。

 

なんでこんなこと書いたのかは忘れたけど自分メモ用に。

 

もどかしくなるというその瞬間も好きだけど、新しい小説に着手するために新しいノートを買う瞬間が一番好きだ。

 

そんな話。今日はリンクなし。

 

ボツにした

のはオルタニアvol.5に載せようとしていた原稿で、あわよくばというか、シリーズ化を計画している伊達町サーガのひとつにしようとしていた。それがまずかった。

 

僕がよくやるミスに、詰め込み過ぎというのがあって、特に今回はオルタニアのテーマと伊達町サーガに通底するテーマがぶつかって物語が膠着状態になってしまった。んだと思う。手放したからそう理解できた。

 

基本的には好きなもの、書きたいことを詰め込んでいるのである程度のプロットまでは「こりゃ面白い!」という気持ちで書けていたんだけど、中盤6000字くらいまで書いたところで書けなくなった。こんがらがっていた。

 

無理やりくっつけていたのは分かっていたが書けると思っていた。8月15日が自分の中での締め切りだったが間に合うはずだった。でも切り離したらスッキリした。

 

あらたに書き始めた小説は仮だけど『物語機能不全大全』とした。あの町もあの姉弟も出てこない。出てくるのは主人公だった男とヒロインになるはずだった女。まだどうなるかは分からないけど、たぶん良いものが書ける。

 

ここ一年くらいでずいぶんと書いたので未発表の作品がいくつかある。この前短編集を出したばかりだけどまた出せそうな感じになってきた。だから、というわけではないけど、次は秋締切の文学賞に向けて書くと思う。あとボツにしたやつも別の形でリライトする予定。

 

関係ないけど幸せを感じるなんたらっていう物質は腸から結構出ているらしくてここ数日胃腸が弱っていた間は確かにあんまり幸せを感じなかったかも。

 

みんなも腸は大事にしようね。

 

 

世界その他

世界その他

 

 

 

性描写を

書くことはこれまでほぼまったくといっていいほどなくて、それが変わったのが折羽ル子さんが編集長を務める雑誌(牛とモーテルがテーマらしい)に書き下ろした短編を書いてからだ。

 

ル子さん曰く、牛とモーテルがテーマの”エロ本”にするとのことだったので、これまで意識的に避けていた性描写にチャレンジしてみた。初めてだからといって半端に書いてはかえってダメになると思い物語に必要な範囲で目一杯書いてみたつもりだ。

 

それがどうなったのかは秋頃刊行予定だという同誌を読んで判断してくれると嬉しい。書いていいのかな、この本は他にも『山彦』で大ヒット中の新潟文楽工房ヤマダさんや、『キミコロ』で名を馳せた藤崎ほつまさんも参加予定らしい。他にもセルパブをやっている人間なら聞いたことがあるようなメンバーがたくさんいる、らしい。

 

そんで僕が寄せた短編『ぼくらの楽園(仮)』なのだけれど、高校入学前の春休みにウタウダやってる男子中学生三人組が、ある日その中の一人の姉と学校で有名な不良的なやつが一緒のバイクに乗っているのを見つける。跡をつけてみたら…みたいな内容で、『オルタニアvol.1 現実以外』に寄稿した『アルミ缶のうえに』とも少しリンクしてる。

 

なんかそのへんのことをもっと書きたいんだけどそれは潤一郎さんの方の隙間社オフィシャルブログでまた取り上げると思うので今日はやめとく。オルタニアvol.5用に書いている短編はいま3600字まですすんだ。こっちは初のミステリ風。って書いてて気付いたけどチャレンジしてるな自分。えらい。

 

 

SF雑誌オルタニア vol.1 [現実以外]edited by Sukima-sha

SF雑誌オルタニア vol.1 [現実以外]edited by Sukima-sha

  • 作者: 大滝瓶太,米田淳一,ろす,淡波亮作,波野發作,伊藤なむあひ
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キャラっていうのは

あまり信じていなくて、これまで自分が書いてきたもののなかに、いわゆる『キャラクター』と呼ばれるものはたぶん存在していない。キャラ造形なんてしたことがないし、服装はおろか顔形すら細かく考えたことがない。

 

なのだけど、いま書いている小説はもしかしたらキャラクターとやらが生まれるかもしれないと思っている。設定、というのも作らなくてはいけない気がしている。3人だけ生まれるかも。

 

やかましい音楽を聴きながら書いている。ざらついた質感だけを耳に残して通り過ぎていくような音だけ。それが合っている気がしている。

 

こういうことが初めてなので戸惑っている。町ができてきて、そこで何かが起こっている。それを記録する。ダブリナーズとはだいぶ違うけど。存在するものを書くのでなく、存在しないものを存在させるのでなく、存在したかもしれないものの残滓を書き残している。

 

疾走感と不穏さと狂気とあと美しさ。そういう曲を聴いてそういう小説を書きあげようとしている。理想の形になるかは分からない。

 

 

 

究極的に言えば

小説を書くっていうのはひとりで完結することができる。自分で書いて、自分で読んで、自分で楽しむ。昔バンドをやっていたとき、複数の人間が作曲に関わり、複数の人間が自分のパートを考え、複数の人間の時間を調整して複数の人間で演奏するのが苦痛だった。もちろん複数の人間がいることで生まれる楽しさもある。自分からじゃ出てこないフレーズや展開、音。

 

ひとりで作ることができる音楽もあるし、ひとりバンド(作曲とレコーディングにおいて)とうのもある。聴く分には断然バンドサウンドが好きだ。だけど合う合わないでいえばやっぱりどこまでもひとりで作るのが合っているんだと思う。編集者云々の話はこの際置いておいて。

 

本を読みました、本を買いました、小説好きです。だなんて感想をもらう機会があった。たまたまポジティヴな意見をもらったというのもあるし、面と向かってはなかなかネガティヴな意見を言わないというのもあるけど、ともかく嬉しかった。作者=自分がいて、作品があって、そこにさらに読者=他者がいるんだなって、当たり前なんだけどとてもすごいことだった。読者がいるのが当たり前という意味じゃなくて。

 

そういうことが自分に影響することがたぶんある。それを弱さと捉えるかは分からないけど、自分ひとりで作るのは前提として、プラス、なんだかそういうものがあるんだなってなんとなく思った。そしてそれは、他人にも伝えていきたいなって。

 

そういう話。

 

 

少女幻想譚 (隙間社電書)

少女幻想譚 (隙間社電書)