王様の耳はパンのミミ

伊藤なむあひの小説とか創作に関するあれです

Slipknot「We Are Not Your Kind」レビュー

ひさしぶりの更新がこれだ!

 

というわけで北海道からの帰宅日がたまたまSlipknotの新譜の発売日だったので、即DLして聴いていたら感想を書きつけたくなったので帰り道に書いてます。っていう衝動的レビュー!以下、Twitterのやつをコピぺしたものですが、最後にブログ用の追加あり。Slipknotのニューアルバム発売は祭りじゃーい!

 

1.Insert Coin

ゲーセンチックなタイトルに少しだけワクワクする。一曲目インストで二曲目に爆発的な盛り上がり!っていうパターンはこのバンドのみならずメタル系の王道だけど、この曲はくるぞくるぞ、って感じでなくふわふわして何が起こるの…?的な感じ。

 

2.Unsainted

アルバムからは外れた(けど日本盤ボートラ)曲AIl Out Lifeに続いて発表されたアルバムのリード曲。前作.5: The Gray Chapterからの流れをくむダークでヘヴィな曲。03:25あたりからの流れるようなメロディと激しいドラムの対比が美しい佳曲。聖歌のようなコーラスも印象的。

 

3.Birth of the Cruel

タイトル通りの怪しげなイントロと歌い出しから、切り裂くようなAメロへの入りのミドルテンポの曲。シド(ターンテーブル)のものと思われる間奏部の電子音やスクラッチがいい雰囲気を出してる。このアルバムの雰囲気を決定づけるようなダークな曲。

 

4.Death Because of Death

またもインスト。薄気味悪い遊園地みたいな曲。さっきの曲もそうだったけど電子音がすごいいい味付けになってるし、細かい音へのこだわりが伝わってくる。

 

5.Nero Forte

イントロからして「おっ」と思うような、Slipknotに期待するようなイントロ。と思いきやAメロは少し落ち着いて跳ねた感じで、初期Soulflyみたいなパーカッシブなリフ。他の曲にも感じたけどギターの線が細い?03:00くらいからのマーチっぽいドラムがジョーイを思い出す…やや食い足りない。

 

6.Critical Darling

弾けるようなドラムから続くスクリームと激重なギター。Bメロでの急な三拍子のあとはメロディアスなサビ。浮遊感のある間奏がかっこいいなー。音作りへのこだわりがうかがえる。二度目のサビからのCメロがめちゃいかす。展開が多くて楽しい曲。そしてラストの不穏なアウトロ。好き。

 

7.A Liar's Funeral

良いタイトル。から過激な曲かと思いきやしっとりしたバラードの入り。なんて油断してたらいきなり「ライアー!」のスクリーム。振れ幅広いな。パワーバラードとも違うし、激重バラード?ダークでヘヴィで神聖な、このアルバムの象徴として真ん中に相応しい良曲。

 

8.Red Frag

くるぞくるぞ、なイントロからほんとに来るタイプのあがる曲。久しぶりにコリィの早口デスラップ(?)を聴いたかも。こういう曲でもほんと今回ターンテーブルとかサンプラーが活躍してる。サビがクリーンヴォーカルでないのも嬉しい。ラストのツーバスドコドコも良い。

 

9.What's Next

インスト。オルゴールみたいなメロディの聞き慣れない楽器の音。コンセプトアルバムだったのかも。雰囲気つくるなー。

 

10.Spiders

全曲のリフレインを引き継いだようなイントロから徐々に歌が、ドラムが入っていき不穏な感じを作り出す。2週目からはギターの刻み、クラップハンズ、逆回転のサンプラーから壊れたみたいなギターソロ。いままでのSlipknotになかったタイプの奇妙な曲。

 

11.Orphan

うお、これぞ!っていう感じの曲。Bメロのチキチキがちょっと気になるけど、ツーバスドコドコギャーギャーしてサビでメロるっていう最近のSlipknotの王道パターン(そしてこれくらいのテンポが多い)。ごちゃごちゃ言ってるけどめちゃカッコいいキラーチューンだ!ちょっと2nd感もあるぜ!

 

12.My Pain

無音?いや、空間系?と思ってたらAphex Twinを思わせる(エレクトロ系は無知です)ツプツプしたアンビエントな電子音聞かせながらの導入。クリーンヴォーカルにハーモニー、前半だけ聴くと完全にそっち系の音楽。や、これがなかなかいい。新しい挑戦の一番の成果かも。

 

13.Not Long for This World

前曲からの流れのようなイントロから、じわじわと盛り上げてサビでドーンといく系のミドルテンポの曲。なんかこのアルバム、ミドル〜スローの曲の方がいい曲多いのか?ラスト前でのサンプラーいかす!また新しいテイストきたなあ。

 

14.Solway Firth

Unsaintedの次に公開された曲。激しいけれど速さはファストとミドルの間くらい。ミドル寄り。どう位置付けていいのかちょっと難しい。1st,2ndのような速さ激しさを期待していたら肩透かしを食らう感じ。スルメ系かなあ。

 

おまけ.AIl Out Life

このアルバムに向けてのリリースの中で最初に発表されたにもかかわらず、アルバム本編には収録されなかった不遇のシングル曲。バンド曰くこのアルバムに収録するにはヘヴィさが足りないとのこと。最初は疑問だったが全曲聴いたあとだとわかる気もする。曲としては文句なしに良い。

 

以上。総評としては、


1.なんか新しいことに挑戦してる

2.速重曲は少なめ

3.電子音がいい感じ

4.それをいかすため?音が繊細

5.それによってやや音像が細い印象

6.ドラム気持ち物足りない


まだ1週目なので聴き込んだら変わるかもだけどとりあえずの感想兼メモです。

 

あ、最後にもうひとつ。アルバムトータルとしては結構良さそうだけど、やや小粒というか破格さがもっと欲しい。特にドラム。ギターリフがあってドラムのフレーズを考えたっていう感じなんだけど、どうしても初期の頃みたいな、俺がサイコーにかっこいいドラム叩いたからお前らこれに合わせてギターキメろや、みたいなドラムのフレーズがないのが寂しい。電子音増えてメンバーの存在が分かりやすいのは嬉しい。音作りも良いしイヤフォンとかで聴きたくなる。でも、もっと憎しみ爆発みたいな曲が欲しい。以上です。

 

ここからはブログのみの追加。

 

懐古厨というか、ファーストセカンド原理主義的な感想っていうのは分かってるんだけど、Slipknotには未だにそういうものを求めてしまう。KornにもLimp Bizkitにももう初期の頃のような音は求めてないんだけどね。

 

結局、音楽の初期衝動的なものは商業的な成功と逆のものだし、大きくなったバンドが原始的な憎しみを糧に曲を作ることは不可能で、それを求めるのも間違えている、なんてことは理解してる。それを聴きたいならその初期のアルバムを聴けばいいってことも。

 

そうなんだけど、このバンドだけはどうしてもずっとそうであって欲しいっていうわがままが捨てられない。でも、これを書きながら2週目を聴いてるんだけど多分1st,2ndの次に好きかも。3rdであれ?ってなって、4thで失望して、5thで少しまた好きになって、この新譜。

 

バンドは、メンバーを変えつつも表現と戦って、挑戦して、その果てにあるものがこれだ。バンドに関する物語と音楽的な嗜好は必ずしも一致しないけれど、少なくともこのアルバムは好きになれそうな気がする。明日からまた聴いてみる。おわり。

 

(小説のこと書かなかったけど、明日からまた書くし、今月中に2つ完成させて、次の中編に取り掛かる)

 

My Pain

My Pain