王様の耳はパンのミミ

伊藤なむあひの小説とか創作に関するあれです

書くときに流す音楽

ってどうなんでしょ。いや少し前までは書いてるときはなにも聴かない派、というよりなにか聴いてるときは何も書けない派だったんだけど、ここのところ短い時間でしかもあまり静かでない場所で書くことばかりのためか音楽を流しながら書くようになってきた。

 

とはいっても日本語の歌詞が入っていたらアウトで、どうしてもインストか洋楽になってしまう。少し前まで書いていた『49パラグラフにも及ぶリロの素晴らしい人生』という小説ではMONO & World's End Girlfriendというバンドというか企画のインストをひたすら聴いてました。あ、『少年Aと少女Bの死体C』という短編を書いてるときもだ。

 

Palmless Prayer / Mass Murder Refrain

Palmless Prayer / Mass Murder Refrain

  • MONO & World's End Girlfriend
  • ロック
  • ¥1500

 

5曲しか入っていないんだけど74分あって、轟音アンド静謐っていう感じでとても集中できる。ボリュームを上げると周りの雑音から隔離される。で、新作でもこれにしようと思ったらどうもノリが違う。

 

今は『方舟事件(仮)』という小説を書いているんだけど、人生の中で絶対書くことないなと思っていたミステリっぽい感じになってきて、ヴァイオレンスが足りないなって。なので出たばかりのお賃金をつぎ込んで買っちゃった。

No Time to Bleed

No Time to Bleed

  • スーサイド・サイレンス
  • メタル
  • ¥1600

 

通常はこういううるさい系の曲って邪魔にならんだけど、彼らの曲はひたすらに音圧が流れてくる感じで不思議と執筆の邪魔にならない。

 

そんな感じで新作、プロットというか設計図はほとんど完成。ラストはあえて空白にしてるけど。ぜんぶびっちり決めちゃうとそこで満足しちゃって、あと書いてて面白くなくなっちゃう。今は手書きで設計図書いて、明日からはもう一冊ノート開いて二画面よろしく書いてく予定。

 

なんの話してたんだっけ。

 

 

SF雑誌オルタニア vol.2 [Locked]edited by Yoshie Yamada

SF雑誌オルタニア vol.2 [Locked]edited by Yoshie Yamada

  • 作者: 茶屋休石,進常椀富,波野發作,伊藤なむあひ,淡波亮作,米田淳一,山田佳江
  • 出版社/メーカー: 電子出版アシストセンター
  • 発売日: 2016/12/15
  • メディア: Kindle
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

 

思考の構築

前に書いた小説を読み返して、自分はどういうつもりでそれを書いたんだろうと悩むことがよくある。今書いている連作もそうだ。

 

例えば『オルタニアvol.1 現実以外』の載せた『アルミ缶のうえに』。この前読んでみたら自分で驚く部分とか不明な部分が結構な箇所あって、どうしてこういうことが起こるのかを考えてみた。

 

普段の思考は1段目なんだと思う。それを地面(何も考えていない頭)の上にポン、と置く。いらなくなったらどかす。安定してそうならその上に次の思考を乗せる。バランスがあるので1段目より面積の狭いものを乗せる。1段目と2段目は凹凸みたいのでくっついてる。

 

そうやって塔みたいに段々と重ねていく。上に行けば行くほど、下がないと乗せられないなんかややこしい変な形のものが乗っていく。それはいきなり1段目に置いてもすぐ転がったりして安定しないものだ。

 

そうやって完成した塔は完成するが完成するとその塔は自分で崩す。次の塔を建てるのに邪魔だから。土地はそんなにないのだ。

 

しばらくして違う塔を使っているときにふと前の塔のかけらが目に入る。上の方の部分が地面に転がっている。変な形で、とても使い物にならないように見える。

 

多分そういうことなんだろうなって、頑張って考えてみたけど本当かどうかは知らない。

 

 

SF雑誌オルタニア vol.1 [現実以外]edited by Sukima-sha

SF雑誌オルタニア vol.1 [現実以外]edited by Sukima-sha

  • 作者: 大滝瓶太,米田淳一,ろす,淡波亮作,波野發作,伊藤なむあひ
  • 出版社/メーカー: 電子出版アシストセンター
  • 発売日: 2016/10/27
  • メディア: Kindle
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いやすごいんですよ

なにがって、ここ2、3年で周りの人(といってもTwitter等で知り合った方とか)がどんどん新人賞受賞したら商業デビューしたり。

 

まあ理由は分かるんですよ。その辺の方々って文学フリマなり投稿サイトなりで作品を作り続けていた方々で、そしてさらに一作ごとに考えて、反省し、チャレンジを続けていた方々なんですよね。

 

もちろん、創作界隈(?)にはたくさんそういう方がいるんだけど、あ、なんか癖で敬語になってたから元に戻す、そういう人たちの中にも商業に行かない人もいるし結局その辺っていうのは進む方向性の話になるんだと思う。

 

素直に、すごい!おめでとう!という気持ちが8割。うわー、なんか焦るぅ!っていう気持ちが2割。自分はどうだろうって考えると、贅沢だから両方やってみたいし両方行き来したい。

 

行き来するには商業にも片足突っ込まないとなんだけど、今年と来年くらいは何度か公募にも出してみたいなーって。でもまあまずは書き上げてから考える。書きたいものがたくさんあって、その中には公募に出してみたいのもある。なんか、いま自分が書いてるものってどれくらいのものなんだろうっていう気持ちなんだと思う。

 

自分で連作でやっていきたいのもある。コラボ(?)して新機軸を打ち出したいのもある。やっぱり時間が足りない。でもその生活の中ではベストと思えるくらいには捧げている。と思う。結局は書きたいものを書く以外のことをする余裕なんてない。

 

いつ死んでもいいように生きるしかない。

 

 

少年幻想譚 (隙間社電書)

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今日はいつもと違って

多くの人間と話す感じの仕事なんだけどまあ疲れる。20分限りで入れ替わり立ち替わり違う人が来ていろんな話をする。100%の気持ちで聞かなくても疲労は蓄積されていま、建物内の人がない場所でひっそりと缶コーヒー片手に回復をはかってる。頭がいたいからだ。

 

宿野かほる『ルビンの壺が割れた』読了。

 

ルビンの壺が割れた《キャンペーン版》期間限定無料

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新潮社さんがバクチっぽい売り方をしていて気になったのでダウンロードして読んでみた。

《担当編集者からお願い》「すごい小説」刊行します。キャッチコピーを代わりに書いてください! 『ルビンの壺が割れた』 | 新潮社

感想は、うん、たぶん多くの人が思ったり買いたりしてるだろうからまあいっかな。

 

著者がもし新人の人だったら、今後これのイメージが付いて回るだろうからそれが気の毒かなあくらい。いや、気の毒というのは違うか。本人が選んだことかもしれないし。自分だったらいやだなあっていうだけ。別に面白くなくなかったです。

 

小説を書くときは読後、読んでくれた人に何か残るものが書きたいなって。あとは自分しか書けないものを書きたい。そうじゃない小説には意味がないすら思ってる。数年前にようやく実感として分かったけど人生はそこそこ長い。でも自分の最良のコンディションでなにかを作ることができる時間は短い。僕はその限られた時間に自分にしか書けないものを書きたい。

 

その時間はいつ終わるか分からないし、終わったらどうするのかはまだ決めていない。もしかしたらピアノでも始めるかも。ドラムもいいなあ。

 

 

 

少女幻想譚 (隙間社電書)

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新しいやつの

イデアを転がして膨らませてるんだけどようやく形になってきた。仮タイトルは『方舟事件』やってみたかったミステリの形をちょっと使わせてもらったやつになりそう。

 

たぶんだけど、町の少年少女が消えていって「方舟に乗ってきます」っていう書き置きが残されていて、みたいな。これまで買いたことがないタイプの話。

 

『オルタニアvol.1 現実以外』では真ん中の次女の話を、『牛モーテル本(仮)』では一番下の長男の話を、そして今回もそのきょうだいの話になるはず。舞台はいつものところ。

 

いつもよりエンタメ増量でお届けする予定。しっかしミステリって絶対書かないと思っていたけどミステリもどきを書こうとしてるんだから不思議。

 

SF雑誌オルタニア vol.1 [現実以外]edited by Sukima-sha

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  • 作者: 大滝瓶太,米田淳一,ろす,淡波亮作,波野發作,伊藤なむあひ
  • 出版社/メーカー: 電子出版アシストセンター
  • 発売日: 2016/10/27
  • メディア: Kindle
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高台の上の団地に

行ってきた。仕事の、なんかクレーム処理的なやつで。クレームっていうほどクレームではないんだけど。相手の指示通り職場近くのバス停からバスに乗り10分くらい。普段は全然行かない場所で、もう明らかに人がほとんど住んでない団地がいっぱい。

 

けっこうワクワクしながら指定のバス停で降りて再度電話すると、バス停の先で曲がってまっすぐ来てくれ、迎えに行くとのこと。自分以外に数人降りてるんだけどみんな散り散りにそれぞれの団地に消えすぐ自分1人になって、キョロキョロしながら進んで行く。

 

本当に人の気配がなくこれが噂のおばけ団地かなんて思いながら昔書いた半虚構日記みたいのを思い出す。5分くらい歩いて合っているのか不安になってきたところで突き当たりの団地から相手が出てきて手を振ってきた。よく自分だと分かったなと思ったが普段他にここに来るようなよそ者がいないんだろう。

 

クレーム自体はすぐに解決してむしろなんとなく歓迎ムードになりここの団地が数年後どうなるとか飼っている猫の話をしている途中、次に書こうとしてここ何日もとっかかりを掴めずにいた小説のアイデアが思い付く。相手は次々に話題をふってきていつの間にか腎臓を片方無くした手術とそのとき見た三途の川らしき場所の話になっていた。

 

その話はたぶん次の小説で書くからここではあんまり記さないけど『アボカド色の子豚』というのは凄いインパクトがあった。団地の群れはオリンピックに向けて少しづつなくなっていくらしい。あと3年もすれば全てなくなるとのこと。それまでに個人的にまたこの辺をウロウロしたい。

 

なんの話かというと、創作上のアイデアは環境の変化によって出てくるっていうよく聞くあれのこと。確かに最近は行きつけの作業場でばかり考えていた。文学フリマで出会った作家は移動が効くと言っていた。アイデアに困ったら電車等での長距離移動をするらしい。プロの作家ではひたすら歩くという人もいた。

 

脳への刺激ということなんだろうけど、いつもと違う場所というのはそれだけでギャンギャンにそれを与えてくれて、しかも今回はこんな素敵な場所だったから余計だろう。

 

また書き過ぎた感があるのでおしまい。

 

 

世界その他

世界その他

 

 

 

 

王様の耳はロバの耳

のなかの穴みたいなブログというかそういうメモ書きみたいなものをやってみようかなって思ってはじめることにしたけどいつまでやるかは未定なのでひっそりとやることにする。

 

少し前まで書く小説全部が『小説を書くことについて』書いている部分が大きかったんだけど、全然作あたりからそれがなくなってきた感があって、多分Book Short用にいくつか短編を書いているうちにそうなったのかも。

 

多分そのテーマが自分のなかで無くなることはないだろうけど、薄まったのは良かったのかもしれない。色々と書いてみるものだなって。次書こうとしているのは生まれ育った町のこと。その町のなかのとある家族の連作。長編でなく連作短編みたいな。

 

たまに地元の夢を見るんだけどそこは現実の町と似てるのに結構違って、でもいつも夢の中ではその町が別の町として存在してる。地図もだいぶできてきた。

 

書き始めたきっかけは『オルタニアvol.1』に載せた『アルミ缶のうえに』。あそこで書けなかった色々な事がずっと頭の中にあって、それらを広げながら色々なエピソードを書きたいなって。

 

初回なのに書きすぎたから今回はそんな。はてなは書きやすいなあ。

 

べつに例の穴あんま関係なかったかも。

 

 

星に(なって)願いを (隙間社電書)

星に(なって)願いを (隙間社電書)