王様の耳はパンのミミ

伊藤なむあひの小説とか創作に関するあれです

キャラっていうのは

あまり信じていなくて、これまで自分が書いてきたもののなかに、いわゆる『キャラクター』と呼ばれるものはたぶん存在していない。キャラ造形なんてしたことがないし、服装はおろか顔形すら細かく考えたことがない。

 

なのだけど、いま書いている小説はもしかしたらキャラクターとやらが生まれるかもしれないと思っている。設定、というのも作らなくてはいけない気がしている。3人だけ生まれるかも。

 

やかましい音楽を聴きながら書いている。ざらついた質感だけを耳に残して通り過ぎていくような音だけ。それが合っている気がしている。

 

こういうことが初めてなので戸惑っている。町ができてきて、そこで何かが起こっている。それを記録する。ダブリナーズとはだいぶ違うけど。存在するものを書くのでなく、存在しないものを存在させるのでなく、存在したかもしれないものの残滓を書き残している。

 

疾走感と不穏さと狂気とあと美しさ。そういう曲を聴いてそういう小説を書きあげようとしている。理想の形になるかは分からない。