王様の耳はパンのミミ

伊藤なむあひの小説とか創作に関するあれです

すっっっっごいいまさ

らなんだけど、単著の紙版が出たよ!

 

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天使についての試論 | 人格OverDrive

ここから本の紹介や各作品の簡単な解説が読めます。

出版:人格OverDrive

装画:ヨコイジュウ『祭壇』

装丁:人格OverDrive

小説:伊藤なむあひ

 

いやーすっかり6月だね。梅雨明け?なのかめちゃくちゃ暑いなかこの記事を書いてます。ちなみに本が出たのは4月の下旬くらい…😇

 

せっかくだから裏話というか、この本が世に出るまでの経緯を書き残しておこうかと。

 

まず、2022年の年明けくらいに、なんというか短編小説は一区切りな気持ちになって、いよいよ長いのを書くぞ!モードになっていた。じつは2021年の春から秋くらいにかけて既に書いていて6万字くらいにはなっていたんだけど、なにかしっくりこなくてお休みしていた。

 

私生活の方でもモードが変わってきていて、書くことにさけるリソースが減っていくだろうというのがあり、集中して長いものを書くためにも伊藤なむあひ短編編はいったん終わりかなと思っていたのだ。

 

ついでにいうと、隙間社の活動にも悩んでいた。端的にいうとこちらも休止しようと思っていた。でも活動の区切りに最新の短編集を出したいという気持ちがあり、でも隙間社を動かしてやるほどのパワーも足りていなかった。

 

そんな気持ちのなかで悶々としていたところに、ヨコイジュウさんの絵と出会った。いうまでもなく、今回表紙に使わせてもらった『祭壇』という絵だ。見た瞬間、この絵を表紙にした本を出したい!と思った。

 

いいなーいいなーと思って、本を出したいとかなにか呟いたんだと思う。小説家でもあり独立出版レーベル人格OverDriveの編集者でもある杜昌彦さんが、うちから本を出しませんかと声を掛けてくれた。

 

追加:『幻想と怪奇7』に掲載していただいた、表題作にもなった短編小説「天使についての試論」はどうしても本作品集に入れたかったので、『幻想と怪奇』の牧野さんにお願いし、新紀元社さんと連絡を取っていただき、作品集への収録が可能にしてもらいました!

 

ピースが揃った感じがして、これは出すしかない!となって、杜さんにどうしても表紙に使いたい絵があることを伝え、ヨコイさんに連絡をした。杜さんに送った作品に「もっと作品数を増やして『本』にしましょう」と言ってもらい、新作+過去のお気に入りをリライトしたものを収録したオールタイムベスト的な内容が確定した。

 

表紙については隙間社で出してきたものは自分で絵を見つけてきて作者に声をかけて使わせてもらうか、自作でドット絵をこさえたりしていた。今回は絵だけを杜さんにお渡ししてイメージを伝え、いい具合に文字入れと配置、背表紙の作成等をしてもらった。

 

そうして4月下旬に本が出た。プリントオンデマンドを利用し、在庫を持たなくてもAmazonをはじめとする各社からすぐに購入できるようになっていて、自分の本がそうやって多くの人の手に渡ることが可能であるという状態に興奮した。

 

発売された本はAmazonやRakutenブックス、hontoでも買ってもらえた他、プリントオンデマンドの著者買取で自分でも購入し、5月には気になっていた書店を周り、お店を見て、この本屋さんに置いて欲しい!と思った書店に声を掛けて本を置いてもらったりした。

 

埼玉県川越市にあるつまずく本屋 ホォルさんや東京都国立の谷保にある書肆 海と夕焼さん、赤坂にある唯一の本屋(2022年6月現在)となった双子のライオン堂さん。これまでは電子書籍が中心だったから、実書店に本を置いてもらうというのははじめてでとてもワクワクした。

 

電子書籍でも、条件はあるにしろ世界のほとんどの場所で小説を買って読んでもらうことができた。でも、本屋に置いて欲しいという気持ちがあったのは事故の確率を増やしたかったからだ。事故っていうのは、僕の本を知らない人が、店頭で、表紙等の情報で気になって僕の本に手を伸ばす(あわよくば買ってもらえ読まれる)こと。

 

僕は北海道の田舎で生まれ育ち、思春期は面白い文化の情報なんてないままたくさんの本やCDをディグって事故の確率を上げてきた。そうやってたくさんの作品に触れて、影響されてきた。だから、自分の作品もそういう流れの一部になれたら嬉しいなという気持ちがあった。

 

おかげさまで、本はすでに100部以上売れた。上記の方法の他に、文フリでも対面で本を販売したりした。イベントに持っていって売れなかったり(悔しい!)、でもそれがきっかけでお店に本を置いてもらえることになったりした。

 

なんかたくさん書いて疲れたので終わり。これからも書いて、届けるわよ。

 

最後にもう一度。

『天使についての試論』|感想・レビュー - 読書メーター

 

2022年6月25日

伊藤なむあひ